Amanda

吐き溜まり。

tanka

2020年5月から2020年10月の短歌

春はもう此処に在らずと知った時紫陽花の葉の緑色濃く 夏はまだ通り過ぎてもいないのに気分は秋の残暑みたいな 鮮明な緑は夏を忘れない泡が弾けたクリームソーダ あの人の実家があった名前だけ聞いたことある千葉の船橋 朝倉がこの後財布を忘れても夏は透ん…

2019年11月から2020年4月の短歌

二月から私一人が神隠し職場でああいた、ああいうあの子 初夏を行く電車の中の学生の脚の開きで暑さを知る もし明日中央線にすわれても好きと伝えた今日は本当 半分はゴミ箱に行く言の葉は捨てた分岐の石に重なる 鉛筆を持つ手は汗ばむつかの間の涼しい風が…

2019年7月8月9月10月の短歌

まだ匂いだけのとり天夕餉まで一時のグウを持て余す 伝言をこんがらがせて彼女への想いを隠す罪悪感で 私よりいくらも高い背のせいであなたの顔は隣じゃ見えぬ ななめから見下ろす貴方心臓が動いていないのが口惜しい 秋晴れの良い日に向日葵纏わせて貴方に…

2019年6月の短歌

フライパンなら防具にも攻撃の要にもなるゾンビが来ても 若い子をそんな時代はなかったと斜めに見やるプラットホーム あの空にぽかんと一匹蜘蛛が浮き獲物がかかるのを待っている 胴を打ち叫び駆け抜くあの夏に吾は一本の竹刀なりけり 胴と吠え人体分かつ吾…

2019年5月の短歌

幻の遠の国より帰り来る赤き光が蠢いている 光より遅く到し轟で気づいて寄って窓に額付く ありふれた日々の端っこと端っこ切って眺めるのが趣味なんです ゆらゆらと毛茸が揺れる奥底はちらり透けたり視えなかったり 春風の香りは車窓の向こう側ホットシェフ…

2019年4月の短歌

れーわという新しい章みずからの次の一歩と重ね描いて 目瞑ればなんども触れたような手の触った快を思い出すよな 会館で触れた指先快感で私、今では繋ぐのが好き キイキイと口腔うごめく振動の爽やかなりし後の粘膜 きみが撮る真を写すいままでもこれからも…

2019年3月の短歌

40℃燃えているのは身体か恋かEBウイルス初めてのキス いやというほど好意はは伝えたはずなのでチョコレートとかどうでもいいな どこから湧いてでる自信なの去年はお返しくれなかったのに 思い出す生きていることたまにはいい生きても死んでもそこにいるから …